ストーリーブック完全終了のお知らせ / 2023年6月以降の冊子とヨーヨーの組み合わせについて (2023年6月28日)

 日頃よりシュトルム・パンツァー製品をお買い求めいただきありがとうございます。
2023年6月現在の、ストーリーブック再販およびヨーヨーのアップデート(リニューアル)に関するご案内です。
結論から申し上げますと、ヨーヨーとセットになるストーリーブックは、
各巻あと1回以上の再販を予定し、それ以降は予告なく供給を終了いたします。
ただし2023年6月現在、7巻・8巻・13巻・14巻(単品販売分)のリワインド様、スピンギア様での在庫数が長期間変動しておらず、
7巻・8巻・13巻・14巻は『既にユーザーの需要を十分に満たした』ものと判断し、今後1回以上の再販をお約束はいたしません。
ストーリーブックの再販に伴い、セットになるヨーヨーの予定は下記リストの通りです。
(※7巻・8巻・13巻・14巻とセットになるヨーヨー自体がそもそも生産・再生産されない場合もあります。)


 ブランドを立ち上げた2013年1月からのメインコンテンツである「ストーリーブック」は、
2018年12月に発行した14巻にて完結いたしました。続編の制作は一切ありません。
(続編を描かない理由については「リワインドTV 第3回シュトルム・パンツァー特集」で述べさせいただきました。)
基本的にその時点でストーリーブックに関する商品展開は終了するつもりでいましたが、
以下3つの理由から、一度に全ての巻を再販すること(在庫を持つこと)はできなくとも、長期的な視野で供給を心がけていました。


(1)おまけのヨーヨーの製造が不安定で生産数が極端に少なく、発行部数が極端に少ない巻が一部ある。

(2)14巻完結後に興味を持った方も多く、今からでもストーリーブックをコンプリートできる機会を提供したい。

(3)日々ヨーヨーブランドが生まれては消えていく中、他に無いコンセプトで長期間の活動が出来たという実績の誇示。


しかし2023年現在、「シュトルム・パンツァー」は単純にヨーヨーを製造・販売するための屋号ではなくなり、
ヨーヨーの製造・販売はあくまでも活動内容のうちの1つとなっています。
国内外情勢による円安・物価高など、ヨーヨーの販売価格維持が困難になっていく中、
印刷コストをかけてまで既に終了したストーリーブックを供給し続ける意義が見つかりません。
(ずっと応援して購入していただけているユーザーの方からすると、同じ巻が何冊も重複してしまい、
それならば冊子をなくして販売価格を抑えて欲しい、というご要望もあるのではないでしょうか。)
新しくシュトルム・パンツァーに興味を持っていただけた方への配慮も大切にしたいですが、
ヨーヨーブランドとして今後も継続していくためにも、どこかで線を引かなければならず、
ストーリーブックの供給は完全終了いたします。

元々はストーリーブックに登場する主人公チームが「シュトルム・パンツァー」であり、
作中のチーム名とチームロゴがそのままブランド名とブランドロゴになっていますが、ブランド名(屋号)の変更は予定していません。
ただしブランドロゴはいずれ変更したいと思います。




あとがき / 6年連載して最後に伝えたいこと / YoYoJamのこと / 著者のコレクションのこと (2018年12月31日)

 シュトルム・パンツァーストーリーブックは旧1巻の巻末に記載されている予定通り、
14巻にて完結しました。

6年間の連載を応援いただいた皆様、本当にありがとうございました。

メインでイラストを担当された亜美寿真(つぐみ すずま)先生、大変にお疲れ様でした。

プロの漫画家を雇い、自分の思うままに絵を描かせ、数年に渡り定期連載し続けること。

それは皆さんの想像よりもはるかに、はるかにお金がかかり、そして大変に贅沢なことです。

著者と同世代で普通の生活をしている人には、とても手が出せる金額ではありません。

シュトルム・パンツァーとはその資金を調達するための、
クラウドファンディングのようなものだったのだと思います。

著者のプロジェクトに協賛いただいた方には、
作品とおまけのヨーヨーがリターンとして与えられる。

「ヨーヨーはおまけ」というフレーズは、まさにその通りの意味です。

  12巻の話ですが、著者の分身とも言うべき準主人公・氷浦豪機は、
 エクリプスオーガに搭載されたバイオスピナーシステムと、
 宿敵・慈緒鴉朱佳の力により、時間を巻き戻し、
 出会った頃の火野霞美と再会することができました。

 豪機の失われた時間=著者の失われた時間を、
 ストーリーブックという著者の世界観を通じて取り戻すこと。

 それが2012年秋にシュトルム・パンツァーを立ち上げた目的であり、
 達成された今は大変に満足しています。

 2011年から2012年頃にかけての話ですが、著者は毎日
 「どうすれば時間を戻せるのか」と、真剣に考えていました。

 誰にでも人生をやり直したいと思うことはあるはずです。

 著者には出会い直したい人がいて、今の記憶を維持して大学入学時に時間を戻せれば、
 きっと違う未来があったはずだと、そう信じたかった。

 その出会い直したい人をイメージして、ヒロインである霞美を描きました。


 そして著者の分身でもある豪機を通じて、
 著者の精神だけを還元させようと考えました。

 2人の描写のバランスを取るべく、
 間に挟む人物として主人公・蒼井京獅郎を描きました。


 しかし“本人”のつもりで霞美を描いているはずが、
 物語を執筆していくにつれ段々と、
 霞美の人格は“本人”とはまた別のところにあると気付かされました。

 その人は、他人の前では強く大胆に振る舞い、
 心の中では静かに泣いている、とても臆病な人でした。



 けれども著者が真に求めている人は、
 著者が絶体絶命のピンチの時に、
 背中を押して戦いに送り出してくれる人です。

 何度人生をやり直し、何度出会い直しても、
 その人はきっと著者の背中を押してはくれません。

 彼女自身の背中が押されることを、本当は恐れているから。

 だから著者の背中を押してくれることもないと思います。



  8巻にて霞美はYukikoの拳銃で撃たれながらも、
 命懸けで豪機にエクリプスオーガを渡します。

 11巻では、バイオスピナーシステムで強制起動させれば
 二度と意識が戻らないかもしれない豪機を、
 戦いへ送り出します。

 それは愛とか恋とか、
 そういう言葉では説明のつかない絶対的な絆です。

 豪機の本当の幸せは、
 セーラー服を着た霞美と永遠の刻を過ごすことではなく、
 その絆であると豪機自身が気付きます。



 同時に著者もまた、作品を通じて気持ちの整理がつき、
 今は時間を戻したいとは思いません。

 そして何にも縛られない「完全なる自由」とは、
 こういうものなのだと、実感を得る域に達しました。

 続編を描きやすいように色々な設定を考えつつ執筆していましたが、
 少なくとも霞美をこれ以上は描きたくはない。

 もし描くとするならば、
 霞美も豪機もYukikoも石動(いするぎ)も、
 きちんと死なせてあげたいです。


 おまけのバイメタルヨーヨーおよび2ピース構造のマルチマテリアルヨーヨーの、
総生産数は最終的に2000機を突破しました。

しかし2018年はリリースのスケジュールがタイトで、
各機種とも大量生産が出来ませんでした。

さらには6年間もヨーヨーを作り続けていると周囲の環境も変わり、
とうとう主たるヨーヨー製造環境を失いました。

定期的に「あの機種は再生産しませんか?」とお問い合わせをいただきます。

再生産したい気持ちはあっても、復活できるかどうか分かりません。

一方でいまだ大量に眠っているデッドストック品やジャンク品などは、
いずれ直販かスピンギアに入荷されるのではないかと思います。

サンプルのヨーヨーも全てスピンギアAKIBA店に預かっていただこうかと
考えていますので、時々店頭で振っていただけますと幸いです。


  かつて著者が競技ヨーヨーの世界でひとつのゴールを迎えた際は、
 1ミリも心に想いませんでしたが、
 今は、いのちよりもヨーヨーの方が大切であると胸を張って言えます。

 世界中で著者にしか出来ないことが多々あるということを、
 確信できた6年間のうちの後半3年間であり、
 それはつまり2015年12月にヨーヨージャム社が活動終了してからの3年間です。

 前半3年間は、ヨーヨーの絵を描いてお金を払えば誰でもバイメタルを作ってくれて、
 回転ブレと色ムラの無い個体だけを送ってくる、そんなサービスは存在しませんでした。

 レオスナイパーMK-ⅡやシュナイダーMK-Ⅱなど、
 サイズDベアリングの超軽量バイメタルを手探りで、
 製造工程・組立工程まで計算して開発せざるをえない上に、
 挿絵イラストの制作ペースも進まず、
 無事に完結できるのか常に不安で辛いことばかりでした。

 休日はどこにも出かけることができず、睡眠不足で交通事故を起こしました。

 それが後半3年間はなんと楽しく充実していたことでしょうか。
ヨーヨージャム最後のプロジェクトである未発売の
「Night Moves 8」(NM8)を譲り受け、
ヨーヨージャムをリスペクトしたNM9(≒Night Moves 9)のヨーヨージャム公認。

長谷川貴彦(TAKA)氏が「66percent」を立ち上げるにあたり、
一番最初にコラボの話を持ちかけてくれたのがステルスオーガ66でした。

石川 空(Sora Ishikawa)がStoneRiverSkyを使用し、
JOYC2016、JOYC2017ともCW部門で二連覇達成。
StoneRiverSKyのロゴもポストカードも13巻の表紙も、
アトリエ海百合=石川空本人が描いています。

最後のTeamYoYoJamメンバー・PHENOM野郎(ZhaoYuan Liu)と、
新しいPHENOMである、覚醒のエクリプスオーガとライジングフェノムを作り合い、
それが縁で上海の世界大会では2代目オーナーのフィリップ(Philip TiAn)ら、
花田(HUATIAN)のメンバーと昼夜を共に過ごしました。

田中貴康(Takayasu Tanaka)氏をはじめ、ヨーヨージャム関係の方々に、
ユニフォームやプロトタイプなど、貴重な品を多数譲っていただきました。

 これを執筆している間にも、次々とヨーヨージャムの品が手元に集まってきています。
 直接の面識の無い方からも、ヨーヨージャム買い取り希望の旨をご連絡いただいています。

 それは著者がヨーヨージャムの活動終了を惜しむあまりに、
 その熱意がまた新しいヨーヨー、新しい絆、新しい目標、
 新しい人生の意味を生み出した結果なのだと思います。

 著者がヨーヨージャムを追いかけているのは、
 ただ単にコレクションを楽しんでいるからではありません。

 いつも書いていますが、ヨーヨージャムは「最高」なのではなく、「尊い」存在であり、
 ヨーヨージャムの遺産は、きちんとした形で後世に受け継いでいかなければなりません。

 その一つが12巻から始まった巻末特集「オールアバウトヨーヨージャム」あり、
 現在は1998年から2006年までの発売機種を掲載済みです。

 そしてその著者にしかない熱意と行動力を、後世に繋ぐことが著者の使命であり、
 残り限りある著者の生命と財産は、
 ヨーヨージャムもといヨーヨーのために注ぎ込むべきであると痛感しています。

 同時に、著者が死んだ後のことも考えるようになりました。

ヨーヨーコレクターである金子隆也(Ryuya Kaneko)氏とも、
由々しきことであると後継者問題について話し合うのですが、
我々が死んだ後、我々のヨーヨーコレクションはどうなるのでしょうか?

時々、1980年代以前に作られたダンカンのアンティークヨーヨーが、
急に欲しくなり譲ってもらうのですが、そういう古いヨーヨーの価値は、
どれほどの人に理解されているのでしょうか?

古いヨーヨーを収集していると時々「これ誰かの遺品だよな……」
としか思えないヨーヨーコレクションのまとまりが、
リサイクルショップ等ヨーヨーの価値が分からないお店で売られています。

著者の所有するヨーヨージャムおよびシュトルム・パンツァー関連品は、
公園のフリーマーケットで「ヨーヨーどれでも1個100円」で売ったり、
オークションで「ヨーヨーまとめて1円スタート」で売ってはいけません。

どこかに必ず、そのヨーヨーを本当に欲している人がいて、
すべてのヨーヨーはその人たちの手に渡るべきです。





















 であるから、今のところ著者が死んだ後、著者のヨーヨーは全て、
 石川空に引き取っていただくことになりました。

 その際、もしあなたが探しているヨーヨーがあれば石川空を訪ねて、
 あなたのその熱意を伝えて下さい。

 そしてゆくゆくは、
 本当にヨーヨーが好きな次の世代の手に渡ることを切に願います。

 他にもヨーヨー以外で著者が集めたコレクションは、
 各方面で信頼できる友人に引き継いでいただくことになりました。

 それらの旨は著者の親族にも手紙で伝えてあります。


 最後にもう一度改めて、亜美寿真(つぐみ すずま)先生への
感謝の言葉を述べさせていただき、あとがきを締め括ります。

もちろん全ての関係各位お一人ずつに、
感謝の言葉を申し上げるべきなのは重々承知しています。

後半売り上げが落ちていく中、TAKAさんの66pecentによるプロモーションと、
PHENOM野郎の中国でのプロモーションによる起死回生。

原稿作業に追われ、新機種開発が著しく遅れている中、
「自分が設計しておくから、あなたは早くストーリーブックを完結させなさい」
と、進んで設計役を買って出てくれた薄野さん(すっすー)。

特に一番苦しい時に手を差し伸べてくれた彼らは、まさに救世主でした。





 けれども、亜美寿真先生だけは誰にも代わりが務まらず、
 亜美寿真先生がいらっしゃらなければストーリーブックは
 完結できなかった。

 作品が完結することで、豪機を通じた著者の精神は還元され、
 今の著者は大変に清々しい気持ちであり、
 何にも縛られることのない完全な自由を手に入れました。

 それはまず一番に亜美寿真先生のおかげだと思います。
 ありがとうございました。

 亜美寿真先生は漫画家として日々キャリアを積まれています。
 亜美寿真先生の今後の益々のご活躍を願っております。


2018年12月31日 著・G&K


バイメタル・マルチマテリアル機種総生産数およびロット回数

 ステルスオーガ 181機 ロット回数:4
 レオスナイパーMK-Ⅱ(プレリリース、サウスポー、7068Ver.含む)392機 ロット回数:7
 シュナイダー 70機 ロット回数:1
 エクリプスオーガ 207機 ロット回数:5
 シュナイダー・ブレードアタックモード 60機 ロット回数:2
 シュナイダーMK-Ⅱ 179機 ロット回数:5
 ステルスオーガMK-Ⅱ 110機 ロット回数:1
 YUKIKO 80機 ロット回数:1
 PAKFA 108機 ロット回数:2
 NM9 147機 ロット回数:3
 S2ブレードアタック 53機 ロット回数:1
 StoneRiverSky 74機 ロット回数:2
 ステルスオーガ66 173機 ロット回数:1
 獅凰滅砕陣!!(L.O.E.P!!)95機 ロット回数:2
 凱龍閃 55機 ロット回数:1
 覚醒のエクリプスオーガ(ECLIPSE OGRE AROUSAL)57機 ロット回数:1
 NEWS/SA 72機 ロット回数:2
 ライジングフェノム 115機 ロット回数:1

合計:2228機 (2018年12月31日時点)


モノメタル・単一素材機種総生産数およびロット回数

 D-スターター 212機 ロット回数:1
 D-ファランクス 105機 ロット回数:1
 D-Zi7068 42機 ロット回数:1
 NEWS/FA 54機 ロット回数:1

合計:413機 (2018年12月31日時点)


登場人物

蒼井京獅郎火野霞美氷浦豪機(覚醒)火野霞美(JK)
菅生零太慈緒鴉朱佳Yukiko石動桂
TOMMY(出演)SOUL(出演)塩染リョウスケ倉雲シンヤ

主な更新情報・お知らせ

2020-10-14
 PHENOM野郎がプロデュースする【STURM PANZER SS】始動!

2018-12-31
 14巻にてシュトルム・パンツァーストーリーブック完結しました。

2013-01-01
 シュトルム・パンツァー戦闘開始。